
開発メンバー/常務・中谷・白井・沼澤・鈴木

ブロー成形では一体品で、絞り込みの深い製品はできなかった。
しかし、楽器ケース、プランターをはじめWブロー技術により、ある程度形状的に深いものが製品化されていった。
その実績が評価され深いものを樹脂化できるという情報を元に大型プランターの検討依頼の話があがってきた。
成形担当者は、依頼されたデザイン図を見て『これは出来ないな・・・』一瞬止まった。
〜工法は見つかったが…〜
社内で討議した結果、ある工法が浮かび上がった。TPプロセス成形だ。
特許メーカーの話では小さいものの実績はあるが、大型品は経験が無いとの話・・・
実績の無い大きなもの、しかも安定的に量産対応ができるのであろうか。
どこまでの形状が出来て、どのような金型構造また成形機の仕様はどうか等、商品化に向けた構想が始まった。
実績が無い為、今までのブロー成形の条件を基に、可能となる条件を試行錯誤した。
同時に金型構造もその形状で成り立つか?など、基本となる金型構想の設計を進めた。
考えは煮詰まっていくものの、はたしてこれで出来るのだろうか?
不安がよぎる。
〜カタチ+デザインへの挑戦〜
今までの実績ある形状に近づけていけば問題はなくなるが、深絞り製品として求めているものから遠ざかってしまう。
不安と葛藤しながらも形状、金型構造が煮詰まっていった。
プランターには、成形性のほかにもうひとつ要求されるものがある。
それは、デザインである。
プランターはその用途から外観イメージが、いかに『石のように』或いは、『木のように』見えるかが求められる。
実際の石目模様などを見比べ、プラスチックをプラスチックに見えないよう金型と成形原料の色に工夫を加えた。
石のイメージを忠実に再現出来る様に、白い樹脂に黒い粒を入れ表面に凹凸をつけるなど・・・試行錯誤が続いた。
また、木のデザインを下絵にし、その模様を金型に彫り込むなど・・・
イメージを具現化する為のモデル作りから石の雰囲気、木の雰囲気をプラスチックにて再現を試みた。
構想ができた、形状が決まった。
〜試作、試作、試作の繰り返し〜
金型製作が進められ試作の日が近づいてくる。
金型が完成し試作日程が決まったが形状が見えるまで安心は出来ない。
金型が取り付けられ、成形条件出しの試作が始まった。
なかなか形にならない・・・・。種々の条件を調整し、やっと形が出来てきた。
ここまで出来れば何とかなる。
しかし、形はできたが新たに金型構造が問題となった。
メス型動作タイミングのバランス、スピード、油圧シリンダーの圧力負け・・。
試作の回数を重ねるごとに型改良が進められ、その効果で成形条件の幅も広がり製品がきれいに仕上がっていく。
原料配合・金型修正、条件調整の繰り返しにより納得のいくデザインの良い物ができた。
しかし、又、新たな問題点が発生!全体が箱形状であった為、4つの壁面が内倒れしてしまった。
成形品の状態をみて、これは金型の温度条件の調整しかない。金型温度条件のバランスを見極め、しっかりとした、箱形プランターが出来上がった。
お客様は、大満足。
製品設計、金型構造検討、成形条件・・総合力を結集し、美しく丈夫で軽いプランターが完成した。

デザインを重視した金型製作を考慮し、
自然な石に見える丈夫で軽いプラスチックプランターが完成した。
しかも、深絞り成形のTPプロセスはアンダーカット構造も可能なため、凹凸のある大きな石目模様も再現できた。
成形品が自然の石のように見えるので、プランターに触って確かめる人も現れた。
樹脂である為非常に軽く、手軽に持ち運びができ、しかも丈夫なプランターとして仕上がった。
初回の大型プランターを手始めに、デザインの異なるプランター・クーラーボックス等の箱物製品へと実績を展開。
開発スタッフ
どこまでの形状なら出来るのか経験がないため、今までの実績と理論・想像をめぐらせ自信はあったが、形が出来るまで安心できませんでしたよ。
実際に金型を作ってからの金型の動き方にはびっくりしましたよ、ほんとにこんなものでブローができるのかなと逆に心配にもなりました。
お客様に喜ばれた事が試作時の苦労も忘れ、なによりも嬉しかったです。
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